こんにちは、インクナブラの上高地仁です。iPhoneアプリはこれからのコンテンツビジネスに欠かせないプラットフォームです。この半年いままで書いたコンテンツをアプリ化して販売していますが、とても有望なマーケットだと感じています。このアプリマーケットをより多くの人に知って欲しいと思い、「SakuttoPubliパーソナル」というサービスを開始しました。
まず最初に本音を言いましょう。iPhoneアプリを作成するのは、アプリとして売りたいだけではありません。アプリとして売るのは、書籍が売れるものかどうかを知ることができるからです。アプリ化すると、印刷代がかかりませんから、販売価格を小さくすることができます。
出版社は電子書籍になっても制作費にかかるコストは大きいといいますが、実際には昔に比べてDTP化されてレイアウトそのものは極めてコストダウンできます。InDesignでは100ページ分のテキストをペーストするとき、shiftキーを押しているとページを自動生成してテキストを流し込むことができます。あとは見出しなどに段落スタイルを適用するだけです。定型レイアウトであれば、制作費はほとんどかかりません。
手間と時間がかかるのは校正や校閲です。校正や校閲して手直しし修正してまたチェックすることに手間がかかります。ですから、校正・校閲済みの原稿であれば制作そのものにはそれほど手間はかかりません。テキストができあがっていれば、後はiPhoneサイズのレイアウトに流し込むだけです。ですから、レイアウトも含めてサービスすることができるのです。
まずアプリとして売ってみる。それで売れたら、印刷した書籍にして売ることができます。もっと売れれば出版社からお声がかかるしかも知れません。電子書籍として販売するのは自費出版する上で大きなコストがかからないからです。しかしiPhoneアプリではそうはいきません。まったくのオリジナルでiPhoneアプリを開発すると、ン十万円はかかるといわれています。ブックアプリ専用ツールでもアプリ1つでン万円はかかります。
まずコストをかけずに売ってみることから始めませんか、というのがSakuttoPubliパーソナルの提案です。かかる費用は年間約3万円弱です。85円のアプリを6つ申請し弊社へのロイヤリティを差し引いても1年間で1165冊売れれば元はとれます。170円だと582冊。250円だと396冊。350円だと283冊です。6つのアプリの合計でそれだけ売れれば年間の固定費は回収できます。
もし年間1万冊売れば、たとえ85円で販売しても、売り上げの半分が印税となります。つまり、425,000円です。170円で売ればその倍が印税収入となります。最近はiPhoneブックアプリで1ヶ月に1万ダウンロードされる書籍は珍しくありません。
もし既に書籍化したコンテンツを持っていれば、それをそのままアプリにすることもできます。すでに出版社から発行している場合は、出版社の了解をとって頂きテキストを少し修正すればまったく問題はありません。著作権を譲渡していない限り、本来であれば出版社の了解は不要です。出版社の書籍レイアウトをPDFにしてアプリ化する場合は、版面レイアウトの権利が出版社にありますが、大元のテキストからいちからレイアウトすればトラブルにはなりません。
もうすでに書籍として売れなくなっていてもアプリ化することで売れた電子書籍が最近増えています。iPhoneアプリとして10万部超をダウンロードされた『適当日記(高田純次著)』は印刷書籍では4000部しか売れなかったのです。
アプリにするといっても、一から原稿を書き起こす必要はありません。過去に書籍化したもの、雑誌に連載したものでも十分です。メルマガやブログにアップして記事でもそれを整理してまとめれば十分書籍アプリになります。既存のメディアにあるコンテンツをそのままブックアプリにすればいいのです。手持ちのコンテンツを再利用して、新しい収入原にすることができるのです。
私はいくつかのDTP関連書を出版社から発行させて頂いたことがあります。最初に出したのは『標準DTP出力講座』という書籍です。ありがたいことにこの本は印刷出力という極めてニッチにテーマだったにもかかわらず三刷までいきました。しかしそれ以後何冊が発行させて頂きましたが、再版になったはほとんどありませんでした。
何冊か出させて頂き思ったのは、再版もできない本は出版する価値がないということでした。そののちいくつか書籍のオファーを頂きましたが、勝手ながらお断りさせて頂くようになりました。企画の内容がとうてい再版になりそうになったからです。また出版社側に販売するノウハウもなく、売れる内容だとまったく思えなかったからです。少し傲慢だったかもしれません。
しかしDTPの技術解説書を300ページも書くと検証も含めて数ヶ月かかります。どんなにがんばっても3〜6ヶ月はかかります。初版印税だけではとうてい見合うものではありません。最初に発行させていただいた書籍は実はページレイアウトもさせていただき、印税以外にもお金をいただきました。それ以降は続編以外はそんなにおいしい仕事はありませんでした。もちろん1ヶ月1冊で書き上げれば、初版印税だけでもペイします。もっともその場合は、すぐにネタ切れになります。
そののち書いたものは自費出版してWebで売るようになりました。Webで直販すれば、お客さんは自分のお客さんになるからです。Webサイト、メールマガジン、ブログを通じて告知し、書き上げたものを書籍化して販売していました。
しかし印刷するとコストがかかりますし、ある程度の冊数が売れるものとなるとテーマは限られてきます。そのため付加価値を高めて値段を上げていくことになりました。販売価格に見合う価値ある内容にするしかありませんでした。しかし、単価の高いものをたくさん販売することは簡単ではありません。
コンテンツを廉価にしてたくさん売る方法はないかといつも考えていました。しかし安くすればたくさん売れるというマーケットはありませんでした。安くしても売れる数はあまり変わらなかったのです。安くしてたくさん売るより、価値を高めて価格を上げる方が現実的でした。
しかしiPhoneアプリではコンテンツを廉価にして配信することが可能です。アプリの案内をWebサイトやブログで案内し、メールマガジンでも告知します。それである程度は買っていただけます。たくさん売りたいのであれば、販売価格を変更したり、コンテンツを追加したりします。
iPhoneアプリを販売するといっても、アプリだけを販売しなくてもかまいません。アプリで売れるものがわかれば、アプリ以外でも売っていけばいいはずです。iPhone以外の電子書籍マーケットもあります。もちろん内容を追加して印刷して販売することもできます。印刷すれば、販売価格は上げることができます。
マーケットの一番大きいiPhoneアプリで売って見れば、その書籍の内容がいま求められているものかどうかわかります。いま売れなくてもなにかのきっかけで売れるようになるかもしれません。たくさん売れなくても、それを必要とする人がいれば世の中の役に立ちます。小さなマーケットではいくら売ってみても、売れるかどうかはわかりません。iPhoneアプリであればそれが確実にわかります。
SakuttoPubliパーソナルでは、単にApp Storeにアプリを申請するだけではありません。私が取り込んでいるアプリの販売ノウハウをあなたにフィードバックします。より効率的な方法でアプリを販売する方法をあなたと考えていきます。
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