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第一回 セカンドマシンからメインマシンへ

 ロジックボート「Yosemite」を積んだNew G3。今までとは全く違ったデザインに戸惑わないというと嘘になるが、機能を考えるとYosemiteは素晴らしいマシンだろう。今までのMacintoshとどれくらい違うのかというと、やはり使ってみるしかない。使ってこそはじめてNew G3の真価の程がわかろうと言うものである。
 先日とうとうNew G3を買ってしまった。もっともコストパフォーマンスに関心のあるわたしとしては、選択肢は一つしかない。いまのところDVD-ROMが必要なわけではないし、CPUも300MHzもあれば十分だからだ。
 惜しむらくは、買ってから数日でアップルがメモリキャンペーンを始めたことだ。とはいえもう少し待てたかというと、そういうわけではないので、まあこれは仕方ないだろう。PC100規格の64MBのメモリはストリート価格でせいぜい1万円程度(注)なので、納得するしかない。
 New G3については、DTP関係ではあまり歓迎されていないような雰囲気があったが、最近は少しずつ導入は進んでいるようだ。もちろん新たにMacintoshを買うとしても他に選択肢がない、と言うこともあるが、それだけでなく、やはりパフォーマンスが優れているということが認められてきたと考えてもいいのではないだろうか。
 私がNew G3マシンを買ったのは、一つには、一台のMacintoshでは仕事が間に合わないことがあるからである。いつもというわけではないが、忙しいときは、1台では待ち時間が勿体ないことがある。特にDTPでファイルサイズの大きなプリントをしているときは、印刷でMacintoshが解放されるまで待たされる待ち時間が勿体ないのだ。待っている時間はメールをダウンロードしたり、Webにアクセスしたりもしたい。プリンタサーバにするかどうかは別にして、2台同時に使える環境は必要なのだ。
 もちろん、2台目はWindowsにするとか、中古のデスクトップMacintoshにG3カードを付けるとか、PowerBookにするという選択肢もあった。2台目にWindowsというのは多分ないけれど、PowerBook G3という選択肢は、最近セミナーなどの機会が増えてきた私にとってかなり現実のものであり、大いに迷ったものである。
 しかし、New G3の機能を見ていると、やはりNew G3マシンを使いこなしていかなければ、DTPの未来はないかも知れない、と思うこともまた確かなのである。どこがどのくらい違うのか、ということを知るには自分で使ってみるしかあるまい。それに、値段だって、昔のことを考えると決して高くない。しかも中古のMacintoshにいろいろカードなどで増強しても、同じようなスペックを果たすことを考えると、新品を買っても金額的な差はほとんどない。それならば、新品を買ったほうがトータルの機能性は間違いなく優れているし、やはり新しい機能を試してみたいではないか。
 というわけで、いくつかの問題点がないわけではないが、それらの解決方法を考えながら、Yosemiteを使っていこうと思うわけである。多少の問題点があったとしても、それ以上の優れた機能があれば、おつりがあるわけで、そのあたりを知りたいのだ。特にひところ技術が停滞していたアップルが、いまここに来て技術的に業界をリードしつつあることを考えると、それを理解するには自分で使うということが是非とも必要なのである。
 それと、いままでのMacintoshから、一気にNew G3に移行するというシナリオは現実的ではないと思う。おそらく旧型のMacintoshを使いながら、New G3も使っていくというのが、DTPではごく普通の使い方なのではあるまいか。DTPの生産性とマシンの価格を考えると、ひとりのデザイナーやオペレータが2台のMacintoshを使うと言うことは決して贅沢なことではないだろう。今のモニタはたいていが2系統に入力ができるから、1台のモニタに新旧2台Macintoshをつなげば、デュアルマシンの環境はそれほど費用がかかるわけではない。
 したがって当面はセカンドマシンとして使い、使い込んでいくうちに、メインのマシンに移行していくというシナリオが一番自然なのではあるまいか。そういう使い方をして、New G3のメリットを活かす方法を考えいくのもいいのではないかと思う次第である。そのあたりを私なりにレポートしたい。
注 メモリのストリート価格は今はさらに安い。PC-100規格の128MBメモリが1万円台前半で販売されている。
「DTP-Sウィークリーマガジン 第23号(1999/05/20)」掲載