▼ CONTENTS
はじめにお読み下さい
プロフィール
ブロードキャスト
Gordian Knot
 (ペーパーマガジン)
ウィークリーマガジン
 (メールマガジン)
デジタル ビヘイビア
 (月刊PDFマガジン)
上高地仁の本
ダウンロード
リンク集
広告募集
DTP-S倶楽部
▼ 標準 DTP出力講座


<< 戻る

14.制作もやりますと言ってしまったのだった


 第5章は2月25日に、第6章は3月7日に脱稿した。予定していた2月末という納期からは少しばかり遅れたものの、おおきく遅れるということはなく原稿を書き終わった。
 第4章もそうだったが、第5章も今まで何度も書いてきたTipsなどの説明だったりするのに、思いの外苦戦した。どこまで説明するのかということを考えていると、どんどん時間が経ってしまうのである。他のトピックとの絡みもあるので、同じ説明を何度も書かないようにしなければならなかった。またできるだけ沢山盛り込みたいという気持もあったし、同時にページ数も稼がねばならなかった。
 それと第4章はカラーになるので、第4章だけで台割を完結させなければならなかった。つまり第4章までを8ページで割り切れるページ数にし、第4章も8ページで割り切れる数にする。もちろん第5章以降も8ページで割り切れるようにするのである。できれば8ページではなく16ページ単位の方がいい。
 書籍や雑誌の編集をDTPでするときに、けっこうこの台割を理解していない人がいるらしい。そんなに難しいものではないが、基本的には印刷(製本)用語なので、製本の加工についてある程度理解していないと、なぜ台割が重要なのかは理解しにくいのだろう。私たちのように一般の商業印刷でもトンボや塗り足しがないデータに頭をかかえるように、書籍の編集では正しい台割ができないと、データの作成で同じように頭をかかえることになる。
 もちろん文字原稿を書いているときは、台割のことは必要ないといえば必要ないが、だいたいどのトピックで何ページくらいになるのかを把握しておかないと、後のレイアウト作業で余計な手間が増えることになる。だから台割を計算しながら、原稿を書いたほうがいいのである。
 文字原稿が書けた後は、レイアウト作業をどうするのかという、シーボルトでの打ち合わせで繰り延べした問題を解決しなければならなかった。といっても、まず寺田さんからの文字原稿のチェックを待たねばならなかった。文字原稿の直し及び足りない部分の加筆がすんだ時点で考えればいいのだが、そろそろはっきりさせておく必要があった。
 ところが、ところがである。3月7日に一通り書き上げたにも関わらず、寺田さんからの返事が帰ってこないのであった。いろいろ忙しいのであろうと思い、返事が来るまで待っていようと思ったが、3月の末になっても動きだす様子はなかった。とうとうしびれを切らして、私は翔泳社に電話をした。こういう場合は、メールでは駄目である。電話をしてプッシュしなければ効果はないのだ。やはり寺田さんは忙しいらしい。別の本の追い込みで、手が離せないので、それが終わったら、文字原稿のチェックをするということだった。
 仕方がないので、もうしばらく待つしかない。私としては原稿は書き上がったので、できるだけ早く出版に漕ぎ着けたい、という気持で一杯なのであった。以前の本郷3丁目出版社の件もあったので、やはり私の書いた本が書店に並ぶまでは、気が休まらないのである。
 世の中絶対ということはないから、待っていても思い通りの結果がでるかどうかはわからない。文字原稿を書いた時点で、まあ90%以上は出版はできるといっていいだろう。しかし、書店に並ぶまでの過程でどのようなことがあるかわからない。もちろんそんなことはないだろうが、東京を大地震が襲ったりしたら、なとど言うことだって絶対ないととはいえないのである。そうなればそれはそれで「天災」だとしてあきらめるしかないものの、どのような突発的な事態に見舞われるかはわからないのだ、そう思うと、はやる気持を押さえることは難しくなっていく。
 このときできるだけ早く出版したいという気持を押さえることができず、私は、取りあえずマスターページのデザインだけでも送ってくれたら、その部分からでも進めますといってしまった。デザインさえ決まればあとは作業だけなので、時間を読むことができる。
 もし私がレイアウト作業をするとしても、デザインまでするのは自信がないので、基本のデザインについてはしかるべきデザイナーにお願いしたい、と寺田さんにはいっていた。だからマスターページのデザインさえあれば、少しでも作業を進めることができる。そうすれば、出版も早くなるだろうと思うと、そう言う言葉が口からでてしまったのである。少しでも早くするには制作も受けるしかない。もし別の誰かに依頼するとなると、レイアウト作業以外に、原稿のチェック時間も必要になり、さらに多くの時間を要することになる。
 原稿を書き上げて、あとはできるだけ早く本にしたいという私の焦燥感が、私にレイアウト作業請け負うことにさせてしまったのである。それとも私は私に制作もさせようという寺田さんの術中に、はまったのであろうか。
 レイアウト作業ができるかどうかについては、シーボルトのときから3ヵ月以上が経っていたので、それほど戸惑いはなくなっていた。寺田さんが編集した「QuarkXPressによる 標準 DTP入門講座 基礎編」以外に、「QuarkXPressによる 標準 DTP入門講座 応用編」も手に入れ、そのときに備えて予習も積んでいたのである。要するに最初にマスターページさえ問題がないように作成していれば、ほとんど問題はないだろう。それにままだ書き漏らしている内容もレイアウト作業と同時に行なうことができる。だから、制作をしてもいいと幾分気持が動いていたこともあった。
 いずれにしても早く本にしたいという衝動につき動かされ、もっとも早く本にできる方法を私は選択せざるを得ないのであった。



このコンテンツは1997年11月12日に書かれたものです。

<< 戻る

<< 書籍の案内に戻る