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第五回 低速インターフェースを統合するUSB

 Macintoshのデスクトップマシンで初めてUSBポートが付けられたのが、Yosemiteを搭載するNew G3である。iMacによって、Macintoshユーザーに認知され、周辺機器も増えるにつれ、市民権を着実に得てきているUSBだが、DTPではどのような使い方、価値があるのだろうか。
 USBの基本的なものをざっと復習してみよう。USBはUniversal Serial Busのことで、インテルやマイクロソフトが提唱した規格である。つまりDOS/VをベースにしたIBM/PC互換機のインターフェースとして開発されたものである。一応この規格はオープンになっていて、使用料は不要であり、Macintoshにこれを搭載してもメリットこそあれ、デメリットはほんんどない。
 もちろんメリットは、業界標準のインターフェースを使用することで、USBに接続するデバイスが安く販売されることであり、デメリットは、せいぜいいまの既存のデバイスからの乗り換えをどのようにするのか、あるいは乗り換えるメリットはどのようなことなのか、ということになるだろう。
 仕様に関して言うと、Macintoshで使われていた低速のポート、ADB、プリンタ、モデムといったものを全て一元化できるということだ。高速モードで最大12Mbps(1.5MB)低速モードで1.5Mbpsで動作する。接続デバイスは、パソコン本体やUSBハブも含めて最大127台。そんなにつなぐことはまずないと思うが、一般の使用では接続数に制限はほとんどないと言ってよい。
 余程高速でデータの転送を必要とするデバイス以外は、全てUSBで対応できる。キーボード、マウス、プリンタ、モデムやTA、あるいはスキャナやMOドライブやハードディスクといった大容量のデバイスも接続可能だ。もっとも大容量のデバイスは転送速度の制限は受けるから、高速でのデータ転送は望むべくもないが、Macintoshに標準で装備されているSCSI-1につないだMOドライブに、データを書き込むとせいぜい1秒間に300KB程度の速度でしか書き込めないことを考えると、使い物にならないということはないだろう。
 また電源も供給できるようになっていて、New G3のUSBポートはDC.5.0Vの電源を供給するので、電源も持たないデバイスにも供給電源の範囲であれば接続可能だ。もちろんそれ以上は、デバイスもしくはUSBハブから電源を供給する必要がある。電源を持つハブを「セルフパワー型」と呼び、持たないものを「バスパワー型」と呼ぶ。
 電源が十分に供給できないとUSBデバイスは当然正しく動作しない。多くのデバイスを接続するときは、「セルフパワー型」のハブを使うべきだろう。またいまのところUSBデバイス同士でも相性があるようで、多くのデバイスを接続すると、うまくいかないこともあるようだ。
 USBの規格上、ホスト(コンピュータ)側のプラグの形状は長方形の「Aプラグ」、デバイス側は正方形の「Bプラグ」になっている。ケーブルはデータ通信用のツイストペア、電源供給、グラウンド用の4ピン。データはノイズ対策用にツイストペアになっていて、最大6mまで伸ばすことができるらしい。
 しかし、USBの最大のメリットはホットプラグという点につきるのではないだろうか。抜き差し自由のインターフェースであるということが、USBを使うもっとも大きなメリットであるといえるのではないか。
 これは一つのデバイスをUSBを切り換えることで簡単に接続可能にするわけで、複数のパソコンに対して単数のデバイスを手間をかけることなく共有できるということだろう。
 特に多様化するストレージに関しては、一つあれば何人もで共有できるという点がありがたい。DTPでは移動用のリムーバブルではMOディスクが標準になっていて、Macintosh一台にMO一台を装備しなければならないが、それ以外の使用頻度の低いZIPやスーパーディスクなどは、何人かで共有すればよい。要するに必要なときだけ取り出してつなげばいいわけである。Macintoshのシステムにドライバだけインストールしておけばいいわけで、普段は箱の中に仕舞っておいても構わない。
 いずれにしてもホットプラグ化されたUSBであれば、今後新たなデバイスが現れても、追加投資はそれほど気にはならないだろう。
 また一つのデバイスを複数のパソコンで共有するときは、USBの切り換え器をつかえばよい。ホットプラグである以上、切り換えはスイッチ一つで簡単に行なえる。
「DTP-Sウィークリーマガジン 第25号(1999/06/15)」掲載



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