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第3章 諸行無常のビジネスモデル

■視野に入ったPDFとCTPのワークフロー
 本誌(Professional-DTP誌)の8月号(2000年)にバイオレットレーザーのCTPの記事が載っていましたが、ちゃんと読みました? レーザーの波長が紫外線に近いところにあるので、バイオレットレーザーと呼ぶわけですが、このCTP、最高速だとなんと1時間になんと22枚も焼き付けができるわけですね。しかも菊全で、このスピードですから、もうCTPのスピードも行き着くところまでいったのかな、という感じですね。
 だいたい、いままでのCTPでは菊全サイズのものは、1時間に4枚とか6枚くらいしか焼けなかったわけです。このくらいだと、今までの刷版で手焼きした方が間違いなく早いわけですね。
 菊半ぐらいのサイズのCTPだとそんなには遅くはありませんから、人件費とCTPの導入コストを天秤に掛けると、CTPの方が効率的なこともあったわけです。だから日本のCTPは主に少ロットの印刷物から導入されていったというところがあります。
 ところが、菊全のCTPで1枚3分で出力されれば、もう間違いないく手焼きの刷版は不要になるでしょうな。これからはあっという間に印刷会社にCTPの導入が進むことは火を見るより明らかだと、私は思いますね。
 特にいままで日本ではCTPの導入が遅れていたオフ輪(オフセット輪転機)でも、CTPが増えることは間違いありません。オフ輪でCTPを使うということは、工場に設置するということになるでしょう。つまり出力は工場で行なう、ということですね。
 データはどうするのでしょうか。データはやっぱりネットワークで転送することになりますね。だいたい規模の大きい印刷工場は郊外にありますから、ネットワークで送るほうがコストは安くなります。
 ネットワークの進化については、ギルダーの法則というのがあるそうです。ネットワーク版ムーアの法則ようなものですな。ギルダーの法則によると「通信速度は半年で2倍になる」と言われていますから、大きなデータでもネットワークを通じて送ることは、近いうちにそれほどコストがかからなくなることは間違いないでしょう。
 ネットワークで送るとなると、だぶんレイアウトデータではなく、PDFにしてしまうほうが間違いありませんよね。フォントは埋め込み、画像は必要に応じて圧縮すればいいわけです。多少の直しはAcrobat上でできますからね。PDFの面付けソフトも塗足しに対応しつつありますから、技術的には、ボトルネックになるものはほとんどありません。
 色校正も、カラープリンタの精度が上がって、プロセスカラーに関しては、平台の校正機より色合いが近いものが当たり前になってきました。それとプロファイルを使ってCMYK同士の変換ができるものが現われてきたので、オリジナルがCMYKであっても、オフセット印刷をシュミレーションしたカラープリンタの出力ができるようになってきています。
 というわけで、どっかの印刷会社がPDFとCTPを使ったワークフローで大幅なコストダウンを図ることになるわけです。それで別の印刷会社は、その話聞いて、マネをするわけです。

[下記のトピックに続く]

■モノマネビジネスはもうお仕舞い
■自分で「仮説」をたてて検証する
■営業のやり方こそ差別化が必要だ
工学社/Professional-DTP誌 2000年09月号所収



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