Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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第9章 DTPネクスト・ソリューション



■9-5 デジタル・プリンティング

 デジタル出力はイメージセッタ出力からプレート出力へと移行しつつあります。プレート出力は刷版工程をもデジタル化しようとするコンセプトでComputer to Plate=CTPと呼ばれています。

 CTPは簡単にいうと、印画材をフィルムからアルミ版(PS版)に変えただけなのでので、今のところCTPになっても大きなメリットはないかもしれません。プレートに出力すると色校正が出来ないというネックがあります。昇華型のプリンターなどのデジタルプルーフで校了となる環境が許されるのであれば、CTPは大きなパワーとなりうるでしょう。本来からいえばフィルム出力より、プレート出力の方がより統合化された環境といえます。しかし、色校正は校正機をオフセットインキを用いて校正したものしか認めず、フィルムベースのケミカルプルーフでさえ内校の役割しか果たさない現状ではCTPは宝の持ちぐされにしかなりません。デジタルプルーフが通用しないのであれば、フィルム出力したもので色校正を行い、校了してからフィルムで刷版を行う方が効率的です。フィルム出力なら簡単な訂正であれば、フィルム上で行うことができますが、プレートでは出力し直すしかありません。CTPが成功するためには、デジタルプルーフが市民権を得るかどうかにかかっているのです。欧米では理解を得やすいデジタルプルーフも、日本では風土的に過剰品質を求める嫌いがあり、市民権を得るまでには時間を要することでしょう。

 デジタルプルーフの欠点は、オフセット印刷時の網点を再現できないことです。プリンタはハーフトーンスクリーン(網点)で階調を再現していないので、オフセット印刷での仕上がりとの間にはかなりのギャップがあるのです。昇華型プリンタの写真の再現性はすばらしくオフセット印刷よりもリアリティのある仕上がりが可能ですが、平網は印字方法の違いから色差が発生します。また解像度の低いこともネックの一つでしょう。写真は低解像度でも表現できるのですが、小さな文字は判別しにくく、原稿によってはプルーフには向かない場合もあります。

 技術が更に進めばデジタルで色校正と同じ品質のものを出力できるようになるでしょう。そうするとCTPでの出力は現実のものとなることでしょう。しかし、デジタルプルーフの問題は、プルーフにそれだけの手間暇をかける必要が本当にあるのかということです。商品カタログなどの印刷物のなかには、実物に忠実でなければならないものがあります。しかし多くの印刷物は色がシビアでなくとも印刷物の性格上なんら問題がないものがほとんどです。微妙な色の違いを追及することによって得られるメリットと、そのために発生するコストを天秤にのせたとき、それでも色の再現が優先されるという印刷物はどのくらいあるのでしょうか。自然光のなかで人間の目が捕える色と、所詮は四つのインクの掛け合わせで表現するオフセット印刷とを比べると同じ色であるはずがないのです。原理的にはオフセット印刷ではカラーの再現は完全ではないのです。それでも尚且つ色校正が必要というのであれば、色校正という工程にコストをかけるべきですが、そうでなければ色校正は過剰品質かも知れません。ここのポイントを把握しなければ、デジタル化は進展しないでしょう。

 CTPによるメリットは、刷版工程の合理化だけでなく、もう一つあります。それは、FMスクリーニングです。FMスクリーニングは階調の表現を網点の大きさではなく、微小な点の密度で表現するものです。従来のスクリーンは濃度が濃くなればなるほど、網点が大きくなります。網点のある状態から網点のない状態まで、連続して階調が作られます。デジタルでも256階調であれば256のステップで網点が作られるわけですが、このスクリーンは刷版するときに多少の露光が変わったり、印刷時にインキの盛加減の誤差を柔軟に吸収してくれます。だいたい小さな網点はとび、大きな網点は潰れて太ることになるので、ドットゲインという言葉が必要となるのですが、網点そのものはアナログの存在なわけです。ところがFMスクリーニングは小さな点の集まりで、小さな点をランダムに配置して階調を表現するので、刷版時に露光が狂うと小さな点が再現できなくなってしまいます。FMスクリーニングを採用するには、刷版の品質管理が不可欠となります。しかし刷版時の露光を確実に標準化するためには、撮影の設備が大掛かりになり、現像液の管理もシビアになります。簡単にFMスクリーニングを実現することは難しく、実現するには正確な焼き付けが求められることになります。

 しかし、CTPだとプレートに直接ラスタライズしてをドットを生成するので、プレート上に正確に小さな点を再現できます。しかもFMスクリーニングでは、写真などを同じ質感で表現するのに、ハーフトーンスクリーンに比べて少ない解像度で実現できます。写真の連続した階調差はなめらかに表現でき、ハーフトーンスクリーンより少ないデータでラスタライズが可能となります。そのため出力時間も大幅に短縮できます。ただし、ランダムでドットを生成するため均一なドットにはならず、平網はざらついた感じになります。もっともいいのは、画像の部分だけFMスクリーンでラスタライズし、平網の部分はハーフトーンスクリーンでラスタライズすることです。このソリューションは恒陽社が商品化するストキャスティックスクリーンニグ(Stochastic Screening)にあります。ストキャスティックスクリーンニグもFMスクリーニングの一種なのですが、これはFMスクリーニングのラスタライズをRIPで行わずに、Macintoshのソフトウェアで行い、その画像データ(EPS/DCS形式)をページレイアウトソフトに貼り込んで処理します。処理された画像は既にFM化されているので、出力デバイスを選ばないだけでなく、出力時にはラスタライズする必要がないため出力時間も短縮されます。

 CTPの次のソリューションはデジタルデータによるダイレクトプリントです。ダイレクトプリントには構造的に二種類に分類できます。ひとつはE-Printに代表されるトナー方式を採用したものです。これらは原理的にはカラーレーザープリンタと同じものだと考えてもよいものです。四色のカラートナーでハーフトーンスクリーンを生成し、印刷していきます。コピー機と同様の感覚で扱えるので、手軽に印刷(出力)でき、オン・デマンド印刷をうたい文句に広く知れ渡るようになりました。

 ふたつめには HEIDELBERG PMTのQuickmasterDI 46-4でみられるCTPと印刷機を合体したタイプです。これは印刷機の内部にあるプレートにデジタルデータを焼き付け、そのまま自動的にブランケットにセットするものです。デジタルデータであれば刷版の焼き付け工程を必要とせず、プレートのセットアップも必要としないにも関わらず、工程は従来のとおりプレートを用いてオフセット印刷するので、品質は今まで通りの品質が期待できます。

 デジタルプリンティングの課題は、まだ品質的には今までのオフセット印刷に比べると多少の差があること、特にトナー方式は解像度が低く品質差が歴然としています。また、現在のところ四色のカラー印刷へのソリューションであって、特色の印刷には十分に対応できないこともあります。しかし、これらのデジタルプリンティングが普及すると小部数の印刷物でも、今までの二色の印刷代でカラーの印刷が出来るようになることも考えられます。そうなると、デジタルプリンティングは今のカラーコピーのように存在になるかもしれません。

 いずれにしても、デジタル化の波は大きくなることはあれ、後退することはありません。この波に乗るためにはプリプレスをデジタル化しなくてはなりません。そのためには営業マンのデジタル化が不可欠となることでしょう。


※色校正ができない
プレート出力したものを平台で色校正することは可能ですが、その場合プレート出力のメリットはほとんどありません。

※ステップで網点
ハーフトーンスクリーンではステップがいくつであっても、ドットエリアの網点はひとつです。FMスクリーニングでは単純にいって、256階調で50%であればドットエリア内の網点は128個になります。

Copyright 1996 by Jin Kamikochi





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