Adobe Illustrator(イラストレーター) 使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CS3まで
Adobe Illustrator使い方と出力講座:透明効果からPDF保存、Illustrator CSまで

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▼第一回 新機能を探検する



■2 グラデーションメッシュの出力と互換性

 デザイン性を高めるために、新たにIllustratorに付加された機能が「グラデーションメッシュ」というツールです。グラデーションメッシュはクローズドパスのオブジェクトをメッシュ状に分割し、その交差するポイントやパッチをペイントすることで、別のポイントとの間をグラデーションで処理するものです。

 グラデーションメッシュはPostScript 3で強化されたグラデーション機能を利用しているのが特徴で、今までにない強力な表現力を持つとともに、使い方には注意が必要です。

 従来のPostScriptでは、グラデーションを最終的には ブレンドされたオブジェクトの段階的変化で作りだしていましたが、PostScript 3ではRIP内部にいくつかのグラデーションを処理するプログラムをもち、PostScript 3のオペレータを指示することで、RIPが滑らかなグラデーションを作成します。今までのように最大256階調ではなく、PostScript 3では4096階調までのグラデーション処理を行なえるので、PostScript 3で出力すれば、最適なグラデーションメッシュを出力できます。
※PostScript Level1及び2とPostScript 3のグラデーションの処理。Illustratorのグラデーションは、5.0J以降に追加された機能ですが、IllustratorEPS保存するときに、ブレンドされたデータとIllustratorのグラデーションの両方のコマンドが保存されるようで、グラデーションパレットのグラデーションを[レベル 1]で保存しても[レベル 2]で保存してもファイル容量は同じです。ただし互換性で[3.0/3.2]形式を選択すると、完全に256階調でブレンドされたデータになるのでファイルサイズは少し軽くなります。



■グラデーションメッシュの保存
 グラデーションメッシュを適切に出力するには、PostScript 3の出力機が必要ですが、実際にはまだまたPostScript Level2の出力機で出力しなければならないことが多いでしょう。この場合について考えてみましょう。

 まず一番注意しなけれぱならないことは、Illustrator-EPS形式での保存です。Illustrator 8.0から、EPS保存時の[オプション]に[ポストスクリプト]という項目が追加され、ここで保存するときのPostScriptのバージョンを指定できます。もしPostScript 3 RIPで出力するのであれば、ここは[3]を選択しますがそうでなければ、出力機のPostScriptバージョンを指定します。普通は[レベル 2]でしょう。
※Illustrator 8.0のIllustrator EPS保存のダイアログ。PostScript 3の出力機を使わない場合は、出力機のRIPのバージョンに合わせて、[レベル 1]もしくは[レベル 2]を選択します。

 グラデーションメッシュを使って、[レベル 2]や[レベル 1]で保存したとき、グラデーションメッシュはどのように処理されるのでしょうか。

 保存するとき[互換性]で[8.0]を選択していると、グラデーションメッシュは[レベル 2]や[レベル 1]ではファイルサイズが大きくなります。ただし[レベル 2]ではそれほどでもなく、[レベル 1]ではかなり大きくなります。これは[レベル 2]も[レベル 1]もグラデーションメッシュを画像にして埋め込んでいるのですが、[レベル 2]では埋め込み画像をJPEGで圧縮し、[レベル 1]では圧縮せずバイナリで処理しているからです。この画像の形式の差がファイルサイズの違いになっています。
※グラデーションメッシュとポストスクリプトの違いよるファイルサイズの違い。[レベル 2]では、グラデーションメッシュを[ラスタライズ]してJPEGで圧縮したファイルを保存、[レベル 1]では圧縮せずバイナリで保存するので、ファイルサイズが肥大化します。上から[レベル1]、[レベル 2][レベル 3]。

 また[互換性]が[8.0]であるかぎり、グラデーションメッシュは両方のデータを所持しているので、[レベル 2]や[レベル 1]で保存しても、8.0で開く限りグラデーションメッシュのデータは再現されます。ただし[レベル 2]や[レベル 1]で保存したからといって、Illustratorの古いバージョンで開けるわけではありません。



■古いバージョンへの書き出し
 グラデーションメッシュを古いバージョンに移行させるには、保存時に[互換性]でバージョンを指定します。これはIllustrator形式、IllustratorEPS形式ともにバージョンの指定ができます。
※Illustrator形式保存の時の[互換性]でバージョンを指定します。

 古いバージョンで書き出すとき、書き出しが可能なのは、[6.0]もしくは[7.0]の場合のみです。[5.0/5.5]以前の古いバージョンでは、グラデーションメッシュを書き出しても、グラデーションメッシュの部分はデータが飛んでしまいなくなります。

 互換性で[6.0]もしくは[7.0]で書き出した場合は、グラデーションメッシュは埋め込み画像として処理されます。
※左は[5.0/5.5]形式で保存してIllustrator 5.5Jで開いたもの。グラデーションメッシュの部分だけがなくなっています。右は[7.0]形式で保存し、Illustrator7.0Jで開いたもの。ビットマップ画像になっています。

 このとき少し注意が必要なのは、グラデーションメッシュからビットマップで書き出された埋め込み画像の解像度が「150ppi」程度しかないことです。これは<ファイルメニュー>の[書類情報...]を見ることで、埋め込み画像の解像度を知ることができます。
※[書類情報...]を見ると、埋め込み画像の解像度を見ることができます。グラデーションメッシュは保存時に埋め込むと「150ppi」程度になります。

 一般的にビットマップ画像としては「150ppi」は十分な解像度ではありません。しかしそれし写真をベースにした画像の場合に言えることであって、網点が連続して滑らかにするときは、出力線数と同じくらいでもそれほど遜色がないかも知れません。一般に出力線数の2倍の解像度で画像データを作成するのは、網点のエッジを変化させることによって見た目の解像度を高めるためであって、グラデーションのようにピクセルにエッジがないものでは、出力線数と解像度の密度が同じでも見た目にはわからない可能性はあります。

 どうしてもビットマップ化された画像の解像度を上げたいのであれば、グラデーションメッシュの部分だけをあらかじめ<オブジェクトメニュー>の[ラスタライズ...]でビットマップ化して、その際に解像度を指定することもできます。この方法だと、埋め込み画像の解像度はコントロールできます。
※グラデーションメッシュを選択して<オブジェクトメニュー>の[ラスタライズ...]でビットマップ化します。解像度を[その他]にすると、ビットマップ画像の解像度を指定できます。

 グラデーションメッシュの書き出し解像度の初期設定を変える方法もあります。これは「初期設定フォルダ」にある「Adobe Illustrator 8.0 環境設定」で行なうものです。実はグラデーションメッシュの解像度の指定は、環境設定ファイルに書き込まれているもので、Illustrator 8.0は環境設定の数値を参照して、グラデーションメッシュをラスタライズするのです。

 ただし、最初は何も記載されておらず、一度、グラデーションメッシュを[レベル 2]で書き出したり、[7.0]形式で保存すると、環境設定ファイルに書き込まれるものです。ですからこの数値を、「300」とかにすると、グラデーションメッシュは「300ppi」でラスタライズされます。

 当然ですがここを書き換えたときは、変更内容を反映させるためには、Illustrator 8.0を起動し直す必要があります。
※「Adobe Illustrator 8.0 環境設定」をエディタなどで開きます。ファイルの最後の方に「/mesh {」という文字があり、次に解像度を指定するようになっています。ここの数値を変更すると、グラデーションメッシュの書き出し解像度の初期設定を変更できます。



■グラデーションメッシュのフィルム出力
 グラデーションメッシュをイメージセッタで出力する場合の注意点を考えてみましょう。

 まず保存形式の[オプション]に[ポストスクリプト]で出力機に搭載されているPostScriptインタープリタのバージョンを知るということがあります。一般にPostScript Level2のイメージセッタがほとんどなので、[レベル 2]にします。

 本来であれば、PostScript Level1でも2のRIPでも、埋め込み画像は問題なく出力されるはずです。しかし古いRIPの中には、埋め込み画像の処理がうまくできないものもないとは限りません。それでもうまくいかないときは、グラデーションメッシュの部分を選択して、<ファイルメニュー>の[データの書きだし...]で[Photoshop形式]で書きだして、Photoshopで開き、EPS形式にして貼り込み直します。この方法だと手間はかかりますが、まず間違いありません。
※<ファイルメニュー>の[データの書きだし...]でPhotoshop形式で保存したものを、もう一度配置し直すと、どのようなRIPでも確実に出力できます。


このコンテンツは1998年12月10日〜2000年4月19日に書かれたものです。





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