Adobe Acrobatの使い方とPDF出力講座:PDFのカラー変換からフォントの埋め込み、アウトライン化まで
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Acrobat 9 公開の真実(7)─Acrobat 9 になっても「PDF 1.7」の不思議


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Acrobat 9 Proを使う前に知っておきたい
バージョンアップで追加された新機能の秘密

新たなプラットフォームを狙うPDFポートフォリオ。
PDFプレゼンのためのFLASHムービー埋め込み。
Acrobat .comでの差別化はMicrosoft対策か?
ウィザードでのフォーム作成はデータ収集のため。
やっと搭載された出力プレビューのオブジェクトインスペク。
フィックスアップで強制変換するPDF/X、PDF/A、PDF/E。

番外コラム Adobe PDF Print Engineビジネスモデルの真相
番外コラム フィックスアップでPDF内のカラーを特色に変換


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Acrobat 9になって、PDFの仕様が追加された。Acrobatのバージョンアップに合わせて、Acrobatの機能拡張が行われ、PDFの仕様も拡張されるのが通例となっている。ところが、Acrobat 9でもPDFの機能が拡張されているにもかかわらず、PDFバージョンは、Acrobat 8と同じ「PDF 1.7」となった。
 Acrobat 9で追加されたPDF仕様には、次のようなものがある

PDFポートフォリオ
セキュリティで256-bit AES
FLASH動画の再生

の3つである。これらの機能はAcrobat 8以前のバージョンでは対応していない。Acrobat 8は対応するPDFバージョンが同じであるにもかかわらず、上記の機能を利用している場合、PDFが開かなかったり、正しく動作しないことになる。
 PDFバージョンは、PDFが対応している仕様を指す。バージョンを重ねるにつれて、対応する仕様が増えていく。たとえばカラー関係では「PDF 1.1(Acrobat 2.0)」で

Deviceカラー(CMYK、RGB、グレースケール)
CalGray、CalRGB
Labカラー
インデックスカラー

に対応した。Acrobat 1.0(PDF 1.0)ではカラーという概念はなかったらしい。「PDF 1.2(Acrobat 3.0)」で追加されたものには

パターンカラー
セパレーションカラー

があり、「PDF 1.3(Acrobat 4.0)」になって

ICCBasedカラー
DeviceNカラー

に対応した。「ICCBased」というのは、ICCプロファイルが埋め込まれたカラーという意味であり、「DeviceN」は五色以上にカラーを分解するときに使う。「PDF 1.3(Acrobat 4.0)」ではDeviceNは、8チャンネルまでで、「PDF 1.5(Acrobat 6.0)」になって16チャンネルまでに拡張されている。
 PDFのバージョンがアップすると、当然ながら下位バージョンにしか対応していないAcrobatでは、PDFを正しく開けない可能性がある。それらの機能を使っていなければそのまま開くだろうが、必ずしもアラートが表示されるとは限らない。

Acrobat 9

 [PDFポートフォリオ]は、下位バージョンに対応している。下位バージョンで開くと添付ファイル形式に変換される。Acrobat 8 ProではPDFパッケージと添付ファイルの機能が使われ、6.0や7.0では添付ファイル形式に変換される。したがって、PDFポートフォリオのウィンドウを使えないだけであって、ポートフォリオに含まれたファイルにはアクセスできる。

Acrobat 9
Acrobat 9 Proで作成したPDFポートフォリオをAcrobat 8 Proで開く。添付ファイル形式を利用しつつ、インターフェースにはPDFパッケージを利用している。Acrobat 7.0 Proでは添付ファイルとして表示される

 セキュリティは、Acrobat 9になって、AES(Advanced Encryption Standard)の鍵の長さを256-bitの最長にものにグレードアップした。もちろん鍵長が大きい方が強度はアップする。
 当然ながら、「256-bit AES」で保存すると、Acrobat 8では開かない。ファイルを開くときのパスワードを設定していなくても、開かないのである。Acrobat 8は256-bit長のAESのPDFをデコードできないのである。

Acrobat 9
[互換性のある形式]で「Acrobat 9 およびそれ以降」を選択すると、[暗号化レベル]で「256-bit AES」と表示される。


 FLASH動画の再生は下位バージョンでは当然不可能だ。環境設定の[マルチメディア]でFLASHプレーヤーを指定していても開くことはない。Acrobat上で埋め込んでFLASHに変換した動画は、Acrobat 9もしくは、Adobe Reader 9でしか再生できない。ポスター画像が表示されるだけである。
 ちなみに、FLASHに変換していない動画も、Acrobat 8 Proでは再生できなかった。Acrobat 9 Proになって動画の埋め込み方法自体が変更されたと考える方が自然だ。

 Acrobat 8は、「PDF 1.7」に完全対応していないバージョンだということになる。つまり言い換えれば、Acrobat 8は、「PDF 1.7」ではなく、「PDF 1.65」程度、あるいは「PDF 1.7マイナス」なのである。
 おそらくAdobeの社内でPDFバージョンをアップすることに反対する意見があったに違いない。理由はわからないが、

機能拡張してもバージョン据え置き

という指示を誰かがしたのだろう。ユーザーとしては、機能を拡張し互換性が失われるのであれば、PDFバージョンも変更して貰う方がありがたい。できれば、Acrobat 9に対応するPDFバージョンは「PDF 1.9」という具合に同じ数字にして貰う方が分かりやすい。
 そういえば、InDesign CSがアップデートしたときも、3.0.1が二回もリリースされた。今回のPDFバーションがアップしない不思議も、あれと同根かもしれない。

 

Acrobat 9 公開の真実 目次

コメントはDTP-Sブログで
Acrobat 9 公開の真実(7)─Acrobat 9 になっても「PDF 1.7」の不思議

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