Acrobat 7.0 Proでは、プリフライトの編集機能は2つに分かれていました。8 Proでは、［詳細編集］で作成するプリフライト規則や条件は［カスタムチェック］ウィンドウで作成して追加するようになっています。

　プリフライトウィンドウから［編集］ボタンを押すか、オプションメニューから［プリフライトプロファイル編集］を選択すると、プリフライトプロファイルを編集したり、新規に作成することが可能になります。

　プリフライト編集でプロファイルのカテゴリーに追加された項目は、［フィックスアップ］ですが、それ以外では［PDF/Xに準拠］と［PDF/Xに変換］に「PDF/A」が追加されたことと、「PDF/X-4（Draft）」か追加されたことくらいです。

　［詳細編集］のウィンドウがなくなったことで、プロファイルのカテゴリーで指定したものがどのようなプリフライト規則に変換されているのかがわからないようになりました。PDFのバージョン指定をすると7.0では、必要以上の規則が自動生成されましたが、［文書］から［レンダリング］までは、ウィンドウの設定を信じるしかありません。

　プリフライトでいう［カスタムチェック］とは、いままでのプリフライト条件と同じものです。7.0の［カスタムチェック］は、［詳細編集］で作成したプリフライト規則を追加するだけの機能でした。つまり、詳細編集で先に追加したいプリフライト規則を作成しておく必要があったのです。



　しかし、8.0では［カスタムチェック］のウィンドウからプリフライト規則と条件を追加して作成するようになってます。

　まず既存のカスタムチェックを編集するには、カスタムチェックの1つを選択しダブルクリックします。そうすると

プリフライト：チェックを編集

　というウィンドウが現れます。ウィンドウ内には5つの設定項目があります。

チェックに適合した場合のレポート
このチェックの説明
このチェックの適用先
グループ
プロパティ

です。「チェックに適合した場合のレポート」は、プリフライト規則名と同じです。ただし、［不適合の場合のレポート］が指定できるようになっていて、チェック名とは異なる表記でレポートすることができるようになっています。［このチェックの説明］は、プリフライト規則の説明と同じものです。



　また、［このチェックの適用先］では、プリフライトの対象を［ページコンテンツ］以外にも［注釈］［フォームフィールド］も選択できるようになっています。注釈やフォームフィールドのデータを調べるときに利用するもののようです。［グループ］［プロパティ］はプリフライト条件と同じものです。

　［プリフライト：チェックを編集］のウィンドウには、カスタムチェックが含むプリフライト条件がそのまま並んでリストされます。編集するときは、ここのプロパティや値を変更して編集します。

　カスタムチェック内の条件を追加するには、ウィンドウ下部の「＋」ボタンを追加します。ボタンを追加することで複数の条件を満たすカスタムチェックを作成できます。7.0までは、1つの規則内の条件はリストして一覧できましたが、8.0では条件の設定を一覧するようになっています。［プリフライト：チェックを編集］ウィンドウに表示できるのは、せいぜい4つくらいです。

　［グループ］7.0までは、20個でしたが新しく追加されている［グループ］もあります。

オブジェクトメタデータ
文書メタデータ
構造化PDF
PDF/Xの出力インテント
PDF/Xの出力インテント（ICCプロファイル）
PDF/Aの出力インテント
PDF/Aの出力インテント（ICCプロファイル）
PDFコンテンツストリームの効率
PDFシンタックスのエラー
構造化PDFのエラー
PDFコンテンツストリームのエラー

　が新しく追加されています。「出力インテント」と「出力インテント（ICCプロファイル）」は、PDF/XとPDF/Aに分けられているので、グループは全部で29個に増えています。

　新規に作成する場合は、カスタムチェックを一つひとつ作成して、それをプロファイルに含めるようにします。あるいは［このプロファイルのカスタムチェック］で新規作成します。いままでは、作成したプリフライト条件は、複数の規則で使い分けることができましたが、8ではすべて個別に作成する必要があります。