電子書籍の普及は、アメリカでAmazonがKindleブックスを成功させたことに始まりました。Kindleという端末だけでなく、Kindleを通じて電子書籍を販売して成功しました。それまでもアメリカには電子書籍はありましたが、Kindleよって爆発的に普及することになりました。
爆発的な売れ行きを示した第2世代のKindle |
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初代Kindleは399ドルでしたが、Kindleが普及した2009年末にはKindle2が259ドルとなり、ハードカバーを百数十冊買うと端末のコストが償却できました。現在の最新版の第3世代はWi-Fi版が139ドル、3G+Wi-Fi版が189度ドルとなっています。 |
Kindleが成功した理由として
100冊買うと端末代が実質タダ
3G回線でダウンロード費は無償
1クリックでの注文
などがあります。Kindleは25ドルから30ドルの新刊ハードカバーを網羅し、それらの電子書籍を9.99ドルで販売しました。ですから、100冊程度電子書籍を買うと、紙の本を買うことと比較すると、Kindle代が実質的にタダになりました。またダウンロードは携帯電話の回線を使用し、Amazonが通信費を負担しました。ユーザーは電子書籍代だけでKindleブックスを利用できたのです。
Amazonはクレジットカードを事前に登録し、1クリックで申込みできるようになっています。Kindleの電子書籍も1クリックで申し込むとそのままカード決済されて、Kindleにダウンロードできるという手軽さがありました。
Kindleブックスは日本ではまだ開始されていません。日本では2010年から電子書籍の気運が盛り上がり、携帯端末以外で本格的に電子書籍が普及しようとしています。
そのKindleサービスと同じようなポジションにいるのが、iPhoneの電子書籍アプリです。iPhoneは電話機として使用されていますので、実質的にはタダです。電子書籍アプリのダウンロードは、Wi-Fiもしくは3Gの電話回線を使います。iPhoneを使う場合、たいていはパケットの定額サービスに加入しており、アプリをいくらダウンロードしても追加費用は不要です。さらに、AppleはAmazonの1クリックのビジネスモデルをライセンスしていて、iTunesストアに登録していると、パスワードを入力するだけでクレジットカード決済が可能なります。
iPhone電子書籍アプリは
電話機なので電子書籍端末としてはタダ
パケット定額サービスでダウンロードもタダ
パスワードだけでカード決済
というAmazonのKindleと同じ仕組みを持っているのです。
Appleは電子書籍をiBookstoreで展開しており、iPhoneでの電子書籍アプリには積極的ではないと言われていますが、iBookstoreも日本ではオープンしていません。iPhoneで電子書籍を配信するには、アプリにするしか選択肢はありません。
また、最近は出版社が書店アプリをリリースしていますが、書店アプリ内の書籍はiPhoneのApp Storeのブックカテゴリーチャートにリストされません。チャートにリストされなけば、電子書籍のプロモーションが難しいのが現実でしょう。
iPhoneの電子書籍アプリの作成は、Xcodeというツールを使用してのプログラミングが必要となります。つまりプログラミングスキルが要求されます。アプリそのものを個別に開発すると、開発費がかかります。つまり誰でもが簡単にiPhone電子書籍アプリを作成できるわけではありません。
それではプログラミングスキルがなくても誰でも電子書籍アプリを作成する方法はないのでしょうか。そこで考えたのがSakuttoBook(サクッとブック)の方法です。
SakuttoBook(サクッとブック)ではコンテンツ自体はPDFを使用します。PDFを最初から貼り込んだXcodeのプロジェクトファイルを用意します。そして貼り込んであるPDFを差し替えることで、電子書籍を仕上げる方法です。電子書籍アプリの作成者は、ドキュメントのPDFを用意し、SakuttoBook(サクッとブック)に取り込んで、iPhoneアプリとしてビルド(アプリ変換)するだけで、iPhone電子書籍アプリが作成できます。
Xcodeのプログラムが記述されたファイル |
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XcodeはObjective-Cで記述します。Objective-CはNeXT、Mac OS XのOSに標準付属する公式開発言語です。SakuttoBook(サクッとブック)では、プログラミング部分を操作せず設定ファイルの中身のみを編集することで、iPhone電子書籍アプリを作成するようになっています。 |
Xcodeのプロジェクトファイル開いて、PDFを差し替えてビルドするだけであれば、誰でもiPhoneアプリを作成することが可能です。コストをかけずにiPhone電子書籍アプリが完成します。
PDFを貼り込むだけなので、iPhoneでテキストをリフローすることはできませんが、テキスト以外のオブジェクトが含まれていてもレイアウトは自由なのがSakuttoBook(サクッとブック)の特徴です。
PDFで作成すれば、iPhoneアプリにしなくても、iPhoneで閲覧できるように配信することは可能です。しかし、PDFをそのまま配信しても値段を付けるのは難しいかも知れません。小説でもプリントアウトした原稿に値段が付いていても買いにくいでしょう。レイアウトして印刷製本して書籍という形にすることで、買いやすくなるのではないでしょうか。電子書籍もiPhoneアプリ形式にして、アプリとして販売する方がコンテンツの価値は高くなります。
誰でも作成できるPDFを手軽にiPhoneアプリに変換するためのツールが、SakuttoBook(サクッとブック)なのです。
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